WineでDrumMic'a!(KONTAKT Player 5)を動かしてみた

サンプラーと言えばNIのKONTAKTが有名です。 サードパーティの音源も多数あり、Linuxユーザーにとっては非常にうらやましく思うソフトの1つです。 サードパーティの音源は謎の可逆圧縮がかかっておる訳ですが、これはFLACでもALACでもなく、 独自の秘密のフォーマットであり、バイナリの変換ツール単体も提供されておらず、オープンな思想からは大きく外れております。

文句ばっかり言ってても始まらないのでLinuxのWineで動かす方法を探っておりました。

以前、KONTAKT Player 5を動作させたことはあったのですが、それからPCも変わり、いろいろとバージョンも変わってしまい、 手順も忘れていたので改めて環境構築に取り組んでみました。

以前はアクティベーションのソフトが動かなかったのですが、海外サイトでいろいろ調べていると最近のWineでは問題が解決してそうな感じだったのでモチベーションが上がりました。

アクティベーションがもし動くなら、ゼンハイザーがマイクの宣伝用に無償で提供しているドラム音源、DrumMic'a!をインストールし、アクティベートできればKONTAKTのクロスグレードが安く入手できます。 セールのときはさらに半額になったりすることもあるようです。今はKONTAKT 6が控えているのでしばらくセールはないかもしれませんが。

で、結果から言うと動きました。

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手順はちょっと整理できていないので、とりあえず苦労した点やコツを箇条書きにしておきます。

  • wineはgitのやつからビルドしていたが結局うまくいかず、PlayOnLinuxでビルドしたやつでうまくいった。
    • PlayOnLinuxはうまく動かないところがあるが、wineの管理だけはちゃんと動いていた。
  • 環境変数のPATH, WINEPREFIX, WINEをちゃんとセットする。(WINEはwine64を指定)
  • フォントが文字化けというか豆腐になるのを調べるにはps axでプロセスIDを調べてlsof -pでfontsをgrepする。
    • フォントを別のファイルに置き換えたり、消したりすると直ったり、原因の切り分けができたりする。
  • winetricksで色々とインストールする。
  • winehqのサイトで動かした人のコツを調べる。
  • winetricks msvcp140=native は重要。
  • winetricks win7 も重要っぽい。
  • msvcp140などのdllのサイズが小さくなってしまい、winetricksでいろいろやっても戻らないことがあった。
    • 別環境のWINEPREFIXを作成し、そこで入手できるパターンを探す。
    • うまくいったときのDLLを保存しておいた方がよい。今回はたまたま別環境にあったのでそれを使って上書きした。
    • winehqのサイトではDLLをあるサイトからダウンロードした人もいるが、この方法は危険だと思う。
  • sudo mount -t udf -r Kontakt_Factory_Selection.iso cdr -o unhide みたいな感じでマウントする必要あり。
  • 今のところKONTAKTスタンドアローンでは音が出ていない。AirWaveを使ってCarlaのVSTとして読み込むと音が出た。
    • AirWaveは本家ではなく、rodlie/airwaveのバージョンを使う。READMEとその変更内容(git log -p)をよく読むこと。
  • DrumMicA.zipのダウンロードは時間がかかる。
    • sha256sumは 2a8a6a5b5d480b1eb9ef25ec7830e6ead89cf9b6a7fe1d90c95a4399d24e11f9 だった。
  • DrumMicA.zipはunzipコマンドでエラーが出るので7z xで展開する。DrumMicA Setup PC.exeを実行する。

あと、Sample Tank 3のメモもついでに書いておきます。

  • SampleTank_3_3.7.zipの中のInstall SampleTank.exeをインストールする。
  • Program\ Files\ (x86)/IK\ Multimedia/Authorization\ Manager/Authorization\ Manager.exe でアクティベートする。
  • SampleTank_3_Sound_Content_Part_1.zipから_8.zipまでを展開し、それぞれインストーラを実行する。

それとKORGのM1とWAVESTATIONのメモも。

  • 文字化けしてアクティベーションの画面がよく分からないときは手順のPDFを見ながら操作する。
  • wine64でインストールしてもAirWaveでは32bit扱いになり、Carlaでホスティングできない。調査中。32bitのwine環境の方がよいのかも?
  • スタンドアローンでは一応動いているが、レイテンシを考えるとwineasioを頑張って入れる必要がある。
    • 前はそうしたが、手順をまた調べる必要がありそう。

2018/11/11追記: 続きを書きました。

ohac.hatenablog.com